生命保険金に相続税はかかる?非課税枠500万円×法定相続人の数と計算方法

生命保険金に相続税はかかる?非課税枠500万円×法定相続人の数と計算方法
2026年8月24日
死亡保険金は、契約内容によって税金が変わります。
生命保険金には一定の非課税枠がありますが、すべての保険金に適用できるわけではありません。保険料を誰が負担していたか、誰が受け取ったかによって、相続税・所得税・贈与税のいずれになるかが変わります。
生命保険金に相続税がかかるのはどんな場合?
亡くなった方が保険料を負担していた生命保険契約について、その方の死亡を原因として死亡保険金が支払われた場合、その保険金は原則として相続税の対象になります。
死亡保険金は、民法上は原則として受取人固有の財産であり、通常の遺産分割の対象ではありません。一方、相続税では「みなし相続財産」として、契約上の受取人が相続または遺贈により取得したものとみなされます。
非課税枠は「500万円×法定相続人の数」
相続人が受け取った死亡保険金には、次の非課税限度額があります。

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人で、相続人が受け取った死亡保険金の合計が2,000万円であれば、非課税枠は1,500万円です。差額の500万円が相続税の課税価格に算入されます。これは「税率を直接掛ける金額」ではなく、他の相続財産などと合算して相続税を計算するための金額です。
複数の相続人が保険金を受け取った場合
非課税枠は受取人ごとに500 万円ずつ与えられる制度ではありません。相続人全体が受け取った対象保険金の合計額に対して非課税限度額を計算し、課税対象となる部分を各受取人の受取額に応じて配分します。
相続放棄をした人がいる場合
非課税限度額を計算する際の「法定相続人の数」は、相続放棄がなかったものとして数えます。したがって、配偶者と子ども2人のうち子ども1人が相続放棄しても、法定相続人の数は3人として計算します。
ただし、相続放棄をした人は相続人ではありません。その人自身が死亡保険金を受け取った場合、受取額について生命保険金の非課税枠を利用することはできません。人数計算に含まれることと、本人が非課税の適用を受けられることは別の問題です。
なお、養子を法定相続人の数に含める人数には、実子の有無に応じた制限があります。
相続人以外が受け取った保険金には非課税枠がない
生命保険金の非課税枠を利用できるのは、相続人が受け取った場合です。たとえば、孫が受取人で、その孫が代襲相続人ではない場合など、相続人以外の方が受け取った死亡保険金には非課税枠を適用できません。
また、受取人が子と指定されている保険金を、受取後に配偶者などへ分けると、受取人からその方への贈与として贈与税が問題になることがあります。死亡保険金は当然に遺産分割の対象になるわけではないため、安易に分配しないよう注意が必要です。
保険料の負担者によって税金が変わる
保険証券に記載された「契約者」だけで判断するのではなく、実際に保険料を負担していた人を確認することが重要です。

保険料負担者 | 被保険者 | 受取人 | 主な税金 |
亡くなった方 | 亡くなった方 | 相続人 | 相続税 |
受取人本人 | 亡くなった方 | 保険料負担者本人 | 所得税・住民税 |
第三者 | 亡くなった方 | 保険料負担者以外 | 贈与税 |
※所得税の対象になる死亡保険金を一時金で受け取った場合は、一般に一時所得として計算します。個別契約や受取方法によって取扱いが異なることがあります。
相続税申告で準備したい資料
保険会社から届いた死亡保険金の支払通知書
保険証券・契約内容のお知らせ
契約者、被保険者、受取人が分かる資料
保険料の引落口座が分かる通帳や取引履歴
生命保険料控除証明書や過去の確定申告書
年金形式で受け取る場合は、年金受給権の評価資料
契約者と保険料負担者が異なる場合や、複数人が保険料を負担していた場合は、負担割合の確認が必要になることがあります。
生命保険金がある場合も申告不要とは限りません
死亡保険金が非課税枠以内であっても、預金、不動産、有価証券、死亡退職金、生前贈与などを合算した結果、相続税の申告が必要になることがあります。反対に、課税対象となる保険金があっても、遺産総額が基礎控除以下であれば、相続税申告が不要となる場合があります。
生命保険金だけで申告の要否を判断せず、相続財産全体を確認することが大切です。
まとめ
亡くなった方が保険料を負担した死亡保険金は、原則として相続税の対象
相続人が受け取る場合の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」
相続放棄した人も人数計算には含むが、本人の受取額には非課税枠を使えない
相続人以外が受け取った保険金には非課税枠がない
保険料負担者と受取人の関係により、所得税や贈与税になる場合がある
受取人以外へ保険金を分けると、贈与税が問題になることがある
税理士法人Two onesでは、生命保険金を含む相続財産の整理、相続税申告の要否判定、相続税申告についてご相談を承っております。立川市・国立市・国分寺市を中心に、多摩地域で対応しています。

