食料品の消費税が1%に?飲食店は納税額が増える可能性も

食料品の消費税が1%に?飲食店は納税額が増える可能性も
2026年7月31日
政府は、飲食料品の消費税率を令和9年(2027年)4月から2年間、1%に引き下げる方針を示しました。消費者の負担軽減が期待される一方、飲食店では消費税の納税額が増える可能性があります。
食料品の消費税率を1%へ引き下げる方針
政府は、現在8%となっている飲食料品の消費税率について、令和9年(2027年)4月から2年間、1%に引き下げる方針を示しました。
物価高対策として消費者の負担軽減が期待される一方、飲食店では消費税の納税額が増える可能性があるため注意が必要です。
店内飲食は10%のままとなる見込み
今回の減税対象として想定されているのは、 酒類や外食を除く飲食料品です。現在示されている方針を前提とすると、食料品やテイクアウトは1%、飲食店の店内飲食と酒類は10%となる見込みです。
店内飲食の売上にかかる税率は10%のまま、食材の仕入れにかかる消費税率だけが8%から1%へ下がる可能性があります。
飲食店は消費税の納税額が増えることも
原則課税を採用している飲食店では、売上で預かった消費税から、食材などの仕入れで支払った消費税を差し引いて納税額を計算します。
食材の消費税率が8%から1%に下がると、仕入れで支払う消費税が減り、差し引ける仕入税額控除も少なくなります。一方、店内飲食の売上が引き続き10%であれば、売上で預かる 消費税は変わりません。
そのため、利益が増えていなくても、消費税の納税額がこれまでより増える可能性があります。
仕入税額控除はどのくらい変わる?
例えば、税抜き300万円の食材を仕入れる場合、食材にかかる消費税は、税率8%なら24万円、税率1%なら3万円です。
単純計算では、売上やほかの経費が変わらなければ、差し引ける消費税が21万円減少することになります。実際の影響額は、食材費の割合、店内飲食とテイクアウトの売上構成、設備投資などによって異なります。
簡易課税を選択した方が有利になる可能性も
簡易課税では、実際に支払った消費税ではなく、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を使って納税額を計算します。
一般的な飲食店は第4種事業に該当し、みなし仕入率は60%です。そのため、食材の税率が1%に下がっても、簡易課税の計算には直接影響しません。原則課税と比較して、簡易課税の方が有利になる飲食店が増える可能性があります。
ただし、設備投資が多い場合や、テイクアウト事業の内容によっては原則課税の方が有利になることもあります。簡易課税を選択すれば、必ず納税額が少なくなるわけではありません。
簡易課税の届出期限に注意
簡易課税を選択する場合は、原則として、適用を受けたい課税期間が始まる日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
個人事業主が令和9年分から適用する場合は、通常、令和8年12月31日までの提出が必要です。3月決算法人が令和9年4月1日から始まる事業年度で適用する場合は、通常、令和9年3月31日までとなります。
制度開始に伴う特例が設けられる可能性もありますが、現時点では法案や具体的な取扱いが確定していないため、今後の情報を確認する必要があります。
制度開始前に確認しておきたいこと
飲食店では、原則課税と簡易課税のどちらが有利か、店内飲食とテイクアウトの売上割合、今後の設備投資予定、届出書の提出期限、レジや会計システムの税率設定を確認しておきましょう。
まとめ
食料品の消費税率が1%になると、消費者の負担は軽くなる一方、飲食店では仕入税額控除が減り、消費税の納税額が増える可能性があります。
税理士法人Two onesでは、飲食店の消費税申告や、原則課税・簡易課税の有利不利判定についてご相談を承っております。制度 変更による影響が気になる方は、お気軽にご相談ください。
注意事項
※令和8年7月31日時点の情報をもとに作成しています。政府は令和9年4月から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を示していますが、詳細は今後の法案審議等により変更される可能性があります。

