法人設立後に必要な税務手続き|税務署・都道府県・市区町村への届出と提出期限

法人設立後に必要な税務手続き|税務署・都道府県・市区町村への届出と提出期限
2026年8月4日
会社を設立した後は、登記が終わればすべて完了というわけではありません。税務署、都道府県、市区町村などへ、会社の設立や給与支払の開始を届け出る必要があります。
特に注意したいのが「青色申告の承認申請書」です。提出期限を過ぎると、設立第1期から青色申告を適用できない可能性があります。この記事では、新設法人が確認したい主な手続きを、提出先と期限ごとに解説します。

法人設立後の主な届出一覧
まずは、一般的な新設法人で検討する主な届出を一覧で確認しましょう。すべての会社に一律で必要になるわけではなく、従業員の有無、給与の支給、消 費税の選択などによって異なります。
届出・申請 | 提出先 | 提出期限 | 対象 |
法人設立届出書 | 税務署 | 設立登記日から2か月以内 | 原則必要 |
青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立後3か月を経過する日と第1期終了日のうち早い日の前日 | 推奨 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 給与支払事務所の開設から1か月以内 | 給与を支払う場合 |
源泉所得税の納期の特例の承認申請書 | 税務署 | 随時 | 常時10人未満の場合 |
法人設立・設置届出書 | 都道府県 | 自治体の定めによる | 対象地域の法人 |
法人設立・設置届出書 | 市区町村 | 自治体の定めによる | 対象地域の法人 |
社会保険の新規適用届等 | 年金事務所 | 事実発生から5日以内 | 原則として法人 |
労働保険・雇用保険関係 | 労基署・ハローワーク | 原則10日以内等 | 従業員を雇う場合 |
1.法人設立届出書
国内に本店または主たる事務所を置く普通法人を設立した場合は、設立登記の日から2か月以内に、納税地を所轄する税務署へ法人設立届出書を提出します。定款等の写しを添付します。法人番号指定通知書の写しや登記事項証明書は、税務署への法人設立届出書では原則として添付不要です。
提出先:本店所在地を管轄する税務署
提出期限:設立登記の日から2か月以内
主な添付書類:定款、寄附行為、規則または規約等の写し
2.青色申告の承認申請書
青色申告では、一定の要件を満たすことで欠損金の繰越控除などの制度を利用できます。設立初年度が赤字になる会社でも、将来の黒字と相殺できる可能性があるため、設立後は早めに提出を検討したい申請書です。
設立第1期から適用を受ける場合の期限は、「設立の日以後3か月を経過した日」と「設立第1期の事業年度終了の日」のうち、いずれか早い日の前日です。第1期を短く設定している会社は、設立から3か月より前に期限が来ることがあります。
3.給与関係の届出
給与支払事務所等の開設届出書
役員報酬や従業員給与の支払を始める場合は、給与支払事務所等を開設した日から1か月以内に届出書を提出します。社長1人だけの会社でも、役員報酬を支給する場合は対象になります。
源泉所得税の納期の特例
源泉所得税は原則として支払月の翌月10日までに納付します。ただし、給与の支給人員が常時10人未満の場合、承認を受ければ半年分をまとめて納付できます。納付期限は1月から6月分が7月10日、7月から12月分が翌年1月20日です。設立直後の小規模法人では、事務負担を減らすために利用されることが多い制度です。
4.都道府県・市区町村への届出
税務署への届出とは別に、都道府県と市区町村にも法人設立・設置届出書を提出します。東京都の場合、都税事務所への提出期限は設立の日から15日以内です。立川市など東京都23区外に本店を置く法人は、都税事務所に加えて市にも届出が必要です。
立川市では、法人の設立・設置があった場合は「すみやかに」届出を行うよう案内しており、eLTAX、郵送または窓口で提出できます。自治体によって期限や添付書類が異なるため、本店所在地の案内を確認しましょう。
5.棚卸資産・減価償却方法の届出
商品在庫を扱う場合の棚卸資産の評価方法や、設備を取得した場合の減価償却方法について、法定の方法と異なる方法を選択したいときは届出を検討します。新設法人の提出期限は、原則として設立第1期の確定申告期限までです。届出をしない場合は法定評価方法・法定償却方法が適用されます。
6.消費税・インボイス関係の届出
新設法人は、資本金、株主構成、設立後の売上や給与等の状況により、消費税の納税義務が異なります。また、取引先からインボイスの発行を求められる場合は、適格請求書発行事業者の登録を検討します。
消費税課税事業者選択届出書:免税事業者が課税事業者を選択するとき
適格請求書発行事業者の登録申請書:インボイス登録をするとき
簡易課税制度選択届出書:要件を満たし、簡易課税を選択するとき
消費税の届出は、提出時期によって適用開始年度が変わることがあります。一度選択すると、原則として一定期間継続しなければならない制度もあるため、設立時点の判断が重要です。
7.社会保険・労働保険の手続き
税務手続きではありませんが、法人設立後に忘れやすい重要な手続きです。法人事業所は、社長1人 だけであっても、役員報酬を受ける場合には原則として健康保険・厚生年金保険の適用対象になります。新規適用届や被保険者資格取得届は、原則として事実発生から5日以内です。
従業員を雇用した場合は、労働保険の保険関係成立届を原則10日以内に提出します。雇用保険の対象者がいる場合は、雇用保険適用事業所設置届なども必要です。
法人設立後によくある失敗
青色申告の申請期限を過ぎ、第1期から青色申告を適用できなかった
役員報酬を支給したものの、給与関係の届出や源泉所得税の納付をしていなかった
税務署だけに届出を行い、都道府県や市区町村への届出を忘れた
インボイス登録を急いで行い、消費税負担を十分に試算していなかった
会社口座と個人口座が混在し、設立初年度の経理が整理できなくなった
設立後は会計・資金管理も早めに整えましょう
届出とあわせて、会社名義の銀行口座、法人カード、会計ソフト、請求書の発行方法、領収書の保存方法などを整えておくと、その後の経理がスムーズです。役員報酬は原則として事業年度開始から3か月以内の設定が重要になるため、金額も早めに検討しましょう。
まとめ
法人設立後は、税務署だけでなく、都道府県、市区町村、年金事務所などへ複数の届出が必要です。中でも青色申告の承認申請書は期限を過ぎた場合の影響が大きいため、設立直後に優先して確認しましょう。
税理士法人Two onesでは、法人設立後の税務届出、役員報酬の設定、会計ソフトの導入、創業融資、設立初年度の申告まで一貫してサポートしております。立川市・国立市を中心に、新設法人のご相談を承っております。設立後に何をすればよいか分からない段階でも、お気軽にご相談ください。

